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2015年12月

2015年12月19日 (土)

今年の夏を振り返って  ~ 芋掘り仕事と心理作戦 ~

朝露の降りた畑で、おせじにも良い出来とはいえないさつま芋を掘りながら、今年のさつま芋に関わる事を色々と思い出していた。両親と一緒に植えた苗。もうちょっとで夏の日照りにも耐えられるだけの葉が地面を覆うのに…というところでの雨不足。もう少し待ってくれと天を仰ぎ祈るも、日に日に色が黄色くなっていく葉の色を見ながら、しかたなく重い腰を上げてタンクに入れた水をかけた。さつま芋に水をかけるのは14年間で2度目の事。

今年の芋の出来はどうかというと、場所によって様々。葉がしっかり地面を覆っていた場所や水をかけてあげられた場所はまあまあの出来でした。良くない場所もありましたが、逆によくここまで育ってくれたと感謝しながら芋掘りを行いました。しかし過去にはもっとひどい事も…。ショックの大きかった順にいうと、「①虫に表面をかじられてほとんど出荷できない」が1番。そして「②ネズミにかじられた」が2番でしょうか。①については私がまだ農業を始めて2、3年目だったと思う。両親に刃向って今まで作っていた場所と違う場所に植えて失敗しました。未だに何のイモムシだかはっきりわかっていないが、確かカブトムシの幼虫よりふたまわりくらい小さいイモムシだったと思うが、8割以上の芋の表面を舐めるように食べられてしまった。しかもそういって傷をつけられると、そこを数えきれない数のダンゴ虫が更にボロボロに舐めてダメ押し。今年も同じような被害にあった仲間もいるようですが、我が家では原因を調べてもしかたないので、現在ではその場所はあきらめて別の野菜を植えています。また②については、モグラの堀った穴を小さな野ネズミが住み処にし、その穴から届く部分の芋をかじる。今年は10%くらいがその被害にあった。さつま芋は「うね(土を盛り上げた場所)」の頂上に苗を植えるのだが、ごくまれにその同じうねの芋が全滅する時もある。また太い芋の方がモグラの穴とぶつかる可能性が高いので、いい芋ほど被害にあう。しかし、もぐらがいるのは安全で良い畑の証。ですからネズミ被害は有機栽培とは切っても切り離せないものかもしれませんね。実際に芋を掘っている最中に急にネズミが飛び出してビックリというのもめずらしくありません。

今年は掘ろうという気持ちがくじけるほどではなく、なんとか最後まで掘る事ができました。それは時々大きい芋が出てくるためです。そういう目の前にぶら下げられた人参に引っ張られ、午(うま)年の私はなんとかゴールしました。まあ、結果的には重さ不足で出荷できない芋が5%くらいありましたのでネズミ被害と合わせて約15%くらいでしょうかね。今まで暖かかったので霜に当たり腐ってしまう事もなく、まあまあという感じです。

話は変わりますが、先日、気持ちのいい晴天の空のもと(飲み食いは家の中であるが…)感謝祭が行われた。生産者は皆、何らかの係になり準備や当日の作業を行いました。私は会に入って初めて畑見学の担当になった。見学希望者を乗せたバスが我が家へ到着。以前にもお話した通り、我が家は人手がある方なので、グループ全体では畑の仕事が進んでいると思う。しかし会員の方から「これからまだまだ大変そうですね」、そして「これだけ広い土地を家族だけで管理できるの?」という質問がありました。それでも我が家は全体の半分の畑は自宅の周辺にあるので色々と都合がいい。これから「夜盗(ヨトウ)虫」が発生する時期なのだが、目につくところに畑があると発見が早い。実際、野菜を出荷しながら次の野菜の準備を進めるのは大変。ましてやお米の収穫時期と重なると、どうしても畑の作業にそのしわ寄せがくる。まあ、今回はきれいに整備された畑とはいかなかったが、農家の苦労について少しは実感していただけたのではないかと思う。しかしそんな畑とはいえ、会員の方に見に来てもらえるのは本当にうれしく思いました。当日は畑を歩きながら「ちょっとしなぶれたブドウ」や写真の「紀州本みかん」を手に、楽しい畑見学であったと思います。

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また、既に事務だより等でもご連絡しましたが、こだわりのカステラを作る事になりました。もう既に予約の連絡、また「いつ作る予定なのか?」という問い合わせもきています。人は「限定」という言葉に弱いもの。特に「数量限定」などというと「欲望スイッチ」がONになるようです。今回のカステラも卵の関係でなかなか作れないという話を聞くと逆に食べたくなりますよね。私がそれを実感したのが、前回作った「うどん」です。比例配分した後に特注を受け始め、残り300くらいからなかなか減らなかったのですが、お便りで「残り100」とお知らせした途端に特注の嵐(ちょっとオーバーですが…)。その後ほぼ1週間で完売し、結果的に足りなくなる始末。これからはこの心理をうまく生かして、会員の皆様の心を操る事ができたらいいですね(イッシッシ!)。しかしカステラはそういう心理トラップを仕掛けているわけではありませんし、もしも私がそういう悪だくみを考えても、きっと仲間に止められるでしょうね(笑)。という事で、今後も「特注の嵐」でなく「非難の嵐」が吹き荒れないように気を付けたいと思います。

生産者番号 56番 八代弘樹


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仕事の優先順位 ~ ヌカの争奪戦 ~

いよいよ大根やネギ、そして小松菜などの出荷が始まり、冬の足音が近づいてきましたね。枝豆も早く出荷しないと色が変わってしまいます。最近の私は、お腹の中も頭の中も枝豆の事でいっぱいです。さて、枝豆と一言でいいますが、同じ種(大豆)を使っても畑によって枝の状態や大きさも異なります。そして味も違う事がわかってきました。三芳には枝豆を一番早く出荷する先輩…いわゆる「枝豆奉行」がいて、私はいつも二番手でしたが、今年は最初に枝豆を出荷する事ができました。今年は2種類の豆を7か所の畑にまき、サヤのふくらみや葉の色を比較しながら早く熟した場所から選んで出荷してきました。そして最初、枝豆は競合が少なく調整にならないので、だいたい良い畑で早めに種をまいたものを出荷し、収穫が終わったらその畑はすぐに耕して、別の葉物野菜などを植えられるように段取っています。また、今年の大豆はほぼ計算通りに進みました。

何でも「一番」というのは気持ちがいいものです。枝豆を一番早く出荷し、その夜にB級品は我が家の食卓へ…。何といっても初物。枝豆がたらふく食べられるので本当に楽しみにしていました。残念ながら仕事が終わっていなかったのでビールはおあずけとなりましたが、私は茹でたてのその枝豆を口に放り込みました。その時「ん…!」。「こんな感じだったかな?」という気持ちになりました。三芳の枝豆は、何と言っても鮮度もいいし味は保証付きのはずでしたが、そのわりには何かちょっと物足りない気がしました。今季初めてでしたので、茹で方のせいなのか、塩分がちょっと足りないのか?その時はそんな理由だと思っていました。しかし最初の畑の収穫が終わり次の畑の枝豆に切替わった時に、最初の畑の豆の味が今一つであった事に気付きました。そういえば、その場所は9月中旬からの長雨で枯れた枝豆の木もあった場所。収穫した木は元気であったし、見た目ではわからなかったが、初物とはいえ今回はチョット失敗したかもしれません。食べる会の方の晩酌のビールの味にも影響を与えてしまったかもしれませんね(反省)。最初の一口目の違和感を思い過してしまうようでは、私もまだまだですね。新米がとれる9月はテレビで「お米マイスター」の方が活躍し、日本各地のお米の良さをアピールしています。同じコシヒカリでも、産地によって味が異なるようです。また話によると、日本人の味覚はとても優秀だそうです。来年は私ももっと成長し「枝豆マイスター」になれるでしょうか。

また枝豆はもうじき終わりますが、毎年枝豆の時期に悩む事があります。それは冬野菜の段取り仕事と、どっちを優先させるかという事。雨の日などは室内で枝豆もぎをすればいいのですが、そればかりやっていると冬野菜の段取りが遅れてしまいます。最近、どうも母が落ち着かない様子だったのはそのせいだったようで、ブロッコリーとキャベツの苗が苗床で大きくなりすぎてしまい、さすがの母も焦っていたようです。私も毎日の天気によって作業を決めます。我が家はある程度仕事が分かれているので、自分が担当している野菜の仕事が遅れてくると、何を優先したらいいかパニックになりそうになります。しかし母も感謝祭の前に苗の定植がひと段落し、やっと落ち着いた様子。ちょっと大きくなりすぎてしまった感はありますが、無事に植えられた苗たちは、昼間はちょっとしおれますが、夜には少し元気になります。そしてそれを毎日繰り返しながら、そのうち根がしっかり張り元気になってきます。今回はその畑の写真を添付します。私もレタス、サニーレタス、チンゲン菜、春キャベツの苗が定植を待っています。定植作業も少しずつは進めていますが、レタスとサニーレタスはものにならないかもしれませんね。枝豆の色が黄色くなって枝豆の出荷が終わるまで、はたして残った苗たちは持ちこたえてくれるでしょうか。今度は私がパニックになりそうです(笑)。

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ところで、大根が出荷されるようになると、いよいよタクワン漬けの準備も始まります。しかしひとつ困った事が…。それはその作業に必要なヌカがなかなか集まらない事。タクワンを漬ける人は何とかして無農薬のヌカを手に入れなければなりません。私が入会した14年前は毎月の米の出荷量が多く、3月くらいには三芳の米の在庫が無くなってしまっていました。ですからその頃は全く問題が無かったのですが、現在、お米の出荷は一年かけて丁度出し切れるくらいのペースです。しかも出し始めは皆が米の在庫をかかえていますので、1人の生産者が出荷できる米の量は限られています。しかも玄米を出荷してもヌカは出ません。ちなみに我が家は最近タクワンを作っていません。大根についても他のメンバーはたくさん出荷しているのに、我が家の大根といえばまだ小指サイズ。はたして出荷はいつになるのでしょうか。タクワンもルールが決まっていて、遅くても1月中に漬ける事になっています。という訳で我が家の貴重なヌカはタクワン作りをする仲間のお宅へ旅にでます。誰からヌカを頼まれているかはトップシークレット。三芳では色々な面でこうやって助け合って頑張っています。先日、JAで販売されている一部の有機肥料に虚偽がある事がわかりましたが、やはり私たちグループのように、他の資材をあてにする事なく自分たちでサイクルを回して農業が成り立つ仕組みが一番だと感じました。これからは「石橋をたたいて壊す…」くらいの姿勢でないと会員の方の食卓は守れないかもしれませんね(笑)。

生産者番号 56番 八代弘樹


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野菜の規格とB級品の活用術

「今年はずいぶん柿がなったな~」と思っていたのもつかの間、夏になると害虫(へた虫)の被害に合い、ヘタの部分からボタボタ落ち始め、柿の木の下はひどい状態に…。それでも今年は昨年よりも豊作であったのか、秋になると木に残っている柿の実の色が紅みを帯びてきた。先日テレビで、果物が豊作と不作を繰り返す仕組みを解説していたが、柿については今年は豊作のようだ。昔、柿は1箱4kgであったが、害虫被害等でなかなか1箱になりにくい事、そしてなるべく多くの方(ポスト)にお届けしたいとの事で、1袋1kgの小袋での出荷となった。そしてまだ誰も出していないうちにと、せっせと袋に詰め出荷したところ、「ギョギョッ」。なんとライバル登場。しかも柿の大きさは我が家の1.5倍!「大きいのがいいってわけじゃないよ!」と言っても、たぶん八百屋の店先に並べられたら我が家の柿が売れ残るでしょうね(冷汗)。しかしもちろん三芳の場合は1袋に入っている個数は違いますから、食べる会の方は損しません。我が家の柿の方が個数が多いのでより多くの方の胃袋へ届くわけです。このように会員の皆さんの中で毎回届く野菜や果物の大きさが違うと思われている方も少なくないのではないかと思います。しかし実はこの柿についても小さすぎてはいけない(…g以上)という規格が決まっています。我が家でも野菜と同様に柿の木の根元に肥料をあげたり、余分な実を取る(摘花)作業をすれば大きい実になるのかもしれませんが、野菜たちと違って「何もしなくても実はなるし、どうせまた虫にやられるんだっぺ」という姿勢が悪いんでしょうね。また、柿の実も早く落ちてくれれば余分な養分は使わなくて済むのでしょうが、そろそろ色づきはじめるという頃に落ち始めるので、養分はかなり使ってしまっているため、残った実に養分がいきわたらないんでしょうね。「もっと早く落ちてくれればいいのに…」などとブツブツいいながら、高枝切りばさみで収穫しています。ちなみに我が家では種類にもよりますが、3割くらいの実が規格外になります。

同様に枝豆も「実の入っていないサヤがあったり、不格好ではダメ」という暗黙のルールがあります。なぜ「暗黙」なのかというと、枝豆は出し始めとピーク時とでは豆の膨らみ方が格段に違うからだと思います。ですから、サヤが膨らんでいるか否かは出荷する本人に(出荷時に係のチェックもあるが…)委ねられています。出始めはまだあまり膨らんでいませんが、初物のその若い豆はおいしいし、またピーク時のパンパンに膨らんだ豆もまた、味がしっかりして食べごたえがあっておいしいと思います。そして食べる側の好みや茹で具合などにもよります。まあちょっとわかりづらいところもあるので、今回は写真を撮ってみました。右側が出荷できる豆で左側がB級品です。ちなみに左側の一番上は実は一応入っているがバランスが悪いのでNGという例です。しかし収穫する時にひとつひとつ時間をかけて吟味していては日が暮れてしまいますので、カゴを2つ近くに置いて、枝から豆をもぐ際に視覚からの情報、そしてその他に手(指)の感触も参考に瞬時に豆の品質を見極め、二つのカゴに選り分けます。虫食いなどもありますし、膨らんではいるが中が空洞になっているものもあるため、指先の感触も重要になってきます。しかしそれでもミスはあるので、袋に入れる時にもう一度チェックします。

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このように我が家ではこの時期、常に作業場にはB級品の柿があり、私は一日に5個くらい(ワイルドに)丸かじりします。また食卓には常に枝豆。ですから私のお腹の5割は枝豆と柿が占めています。また、食べきれない時には近所に分けてあげたり、配送などで持って行き、お世話になっているポストの方などにおすそ分けする時もあります。現在私が出荷事務の責任者である事はポストの方にはだいたいばれています。ですからこちらのミスなどがあった時には「では、担当に話しておきます」では済まされません(冷汗)。そういう時に、手持ちのB級品野菜が役に立つわけです。1週間に1回の都心への配送。やっぱり和やかな雰囲気で行ってきたいものです。「食べる会」と「三芳」は、ずっとお互いに相手にお世話になっているという気持ちを持ちながら、ここまで来たのだと思いますが、なかなかお会いできる機会も減ってきていますので、お会いした時に少しでもその気持ちを伝えたいと思っています。ですから、決して「護身用」として持っていっているのではないので、お間違えなく(笑)!

今年はB級の柿もたくさんあったので、いつも以上に配送に持っていきましたが、会員の方に「少しくらい小さくても柿は柿でしょ。出荷したらいいのに。」というありがたい言葉もかけていただきました。しかしそこはやはり農家としての「プロの精神」を大切にしたいと説明しました。人はどうしても楽な方向に逃げたくなるもの。ですから「柿の大きさが許されるのなら川野だって、夏みかんだって、温州みかんだって大きさはなんでもいいでしょ…」という悪循環が生まれるかもしれません。実際、温州みかんはサイズの小さなものを集めた「みかんB」という区分けも作っています。通常のみかんよりもかなりお安い設定でちょっとかわいそうになりますが。私達は「ちゃんと野菜や果物のお世話をして、胸をはって会員の皆さんにお出しできるものを作る」という事を基本に色々な決まり事を作っています。これから、更に気象等の影響で農作業が大変になるかもしれませんが、仲間と協力し合いながら頑張っていきたいと思います。

ちなみに皆さんが気にしている、昨年大不作だった「温州みかん」ですが今年はそこそこの出来のようです。皆さん良かったですね。やっぱり三芳の「のしもち」で新年を迎えて、こたつに入って三芳の「みかん」…ですよね!

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「水に酔う…」って? ~ 夏野菜の片づけ最盛期! ~

今年も枝豆の出荷が始まりましたね。お味はいかがですが?毎年の事ながら三芳の枝豆は残念ながら真夏の生ビールには間に合いません。しかし、ビアガーデンにでも行くとわかると思いますが、最初に口にするおつまみはやっぱり枝豆。注文してから出てくるのが早いし、何と言っても体にいいですからね。お店によっては解凍したものや、その時期に合わせ作ったもの、また輸入したものが並んでいます。もちろん生ビールと一緒に食べるとおつまみの味も格別ですが、皆さん騙されてはいけませんよ。やっぱり枝豆単品の味は秋のこの時期が一番おいしいと思います。ではなんでこの時期なんでしょうね。枝豆の品種も全国各地で様々なものがあります。しかし私達は路地栽培ですので、なおさらその地域の気候に合ったものを作っています。また我が家では昨年の大豆を種として「早生」「中生」の2種類の品種を作っています。どちらの実もしっかりしていておいしいように感じます。昔は、田んぼの水漏れ防止のために周囲に土を厚く盛り土手を作っていましたが、その泥の部分に植えていたようです。そうするとそこに根を張って土手も頑丈になり、そして稲刈りよりちょっと後に実ります。しかし現在は稲を作る時期が毎年早まっていて、そのために枝豆が取り残されて、とっくに稲の収穫が終わっているこの時期に実ります。昨年、私は皆より早く枝豆を出したくて半月くらい速く種をまいたのですが、その場所の大豆だけはほとんど実がつきませんでした。私達のグループでは野菜の種類ごとに価格が決まっています。ですから品種などを研究して全くずれた時期に作ってもあまりメリットはありません。逆に実が少なかったり、味がいま一つであってはどうしようもありません。ですからやっぱり旬の時期に作るのが良いといえます。

しかし今年は収穫を目の前にして枯れてしまっている大豆があります。大豆は丈夫で、しかも良い場所よりも、あまり肥沃でない場所の方が良いといいましたが、それでも常に湿気ているような場所は良くないようです。今年のように雨が多すぎると根っこがおかしくなるようで、一部の畑ですが丈夫な大豆も次々と枯れてしまっています。またナスも「秋ナス」と世間で呼ばれるように、これからもしばらく収穫するはずであったのですが、あまり元気がないようです。このように水にやられてしまう事を農業の専門用語で「水に酔う」といいます。人が酔っぱらってフラフラになる様子に例えたのでしょう。ナスの様子などはまさしく千鳥足のように見えます。しかし大豆も枯れるようですから、よっぽど今年の天候は不順なんですね。

私はよく、小さな虫から見たらこの世界はどう見えるのかなって考えます。小さな虫たちにとって雨が恐怖であるように、小さな目には私達の畑はどう映っているのかなって思います。雨の日は何を傘の代わりにしているのかって…。先日、畑でトラクターを運転していたら、里芋の中から、ノラ猫が飛び出してきました。暑い日だったので日蔭で昼寝していたのかもしれません。動物たちは過ごしやすい場所がわかっているので、きっと里芋の葉の下は涼しいのでしょう。私も葉の下に入ってみました。ちょっと頭を下げなくてはならないので窮屈ではありましたが予想通りちょっと涼しく感じました。そしてその場所で写真をパチリ。「逆ガリバー旅行記」とでもいいましょうか。ちょっと虫になった気分。昔、私達のグループではトラクター等の大型機械は使用できなかったという話も聞きました。それは強い力でしかも深く土を耕すと、生き物たちにとってあまり良くないという理由からだと思います。まあ確かにミミズには大迷惑だと思うし、耕した後に死んでいるミミズも見た事もありますので必要以上にかきまわすのは控えたいと思います。有機農業を続ける上で小さな生き物を大切にする事はとても重要です。

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ちょっと話が脱線しますが、微生物の研究でノーベル賞をとった大村さんには驚きました。でもゴルフ場ではなくて私達の畑でしたら、もっと多くの微生物を採取できるかもしれませんね。でもそのゴルフ場には農薬などの薬を使われてもなんとか生き延びたような強い微生物がいたのかもしれません。物事を地道にコツコツとやっていくのは大変な事。私達もどちらかと言えばコツコツやる農業の部類に入るのかな。世の中に存在する微生物の種類は数えきれないほどあり、また寿命が短いので、私達が知らないところで色々な変異が起きているのかもしれません。大村さんのように微生物と上手に付き合って助けてもらえば、人間が不可能な事でも可能になるかも…。「私は何もしていません。微生物に感謝ですね。」というようにノーベル賞は微生物にあげたいというようなインタビューには感動しました。まだまだ微生物は無限の可能性を秘めていますね。雪道用タイヤのCMで福山雅治さんのこんなセリフがあります。それは「凍った大地を征するという事は氷と戦う事ではなく、密着する事だった」というものですが、微生物も同様で敵にまわすと怖いけれど、味方にしてうまく付き合っていけば良いのだと思います。私達の畑のわずかスプーン一杯の土1gの中に数億の微生物たちがいます。大村さん効果で、これからもっと微生物に脚光があたり大切にされればいいと思います。

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イベントに参加して ~ 露木先生の教えと放射能こぼれ話 ~

先日、10月17日、18日に行われた提携セミナー主催の三芳訪問ツアーに参加しました。今回のツアーには食べる会の斉藤代表、そして歴代の代表である戸谷さん、和田さん、喜多尾さんなどそうそうたるメンバーが参加、そして初日の夕方に会発足時に大変お世話になった露木裕喜夫先生からの教えや今までの苦難の道のり等に関する話し合いが持たれた。恥ずかしながら私は今まで露木先生の著書「自然に聴く」を読んだ事が無く、急遽その本を父から借りて読み始めた。すると、書物には「作物を作る上で自然の秩序に従う」という事はもちろんだが、その他に「本当に安全・安心な物を手に入れるには努力が必要」「人間は自然の中で生かされている」という事などが書かれていた。また「足るを知る」という言葉もその会合で初めて聞きました。それは人と自分を比べたりせず、満足する心を持つという事。要するに心の持ち方次第で幸福にも不幸にもなるという事ですね。以前テレビで「国別幸福度ランキング」をやっていて、先進国でなく意外な国が上位を占めていた事を思い出しました。大量生産、大量消費社会となった現代。人はいくら多くの物にかこまれても満足する事はなく、心を持った人達にかこまれて初めて満足する事ができるとの事。口で言うのは簡単ですが、人との出会い、信頼、絆を大切にしなければならないと感じました。そして現在では自然食品店等でも「有機栽培」と表示された野菜は簡単に手に入りますが、本当に信用するかは買い手の気持ち次第です。ただ一つ言えるのは、人の意志は決して強くないという事。もしも「農薬や化学肥料は持っているが、この畑だけは有機栽培です」という農家がいたら、その人はすごい人だと思います。私なら農薬を持っていれば絶対使ってしまいますよ。(と、自信持って言い切るところではないが…笑)。

また、話し合いでは流通や事業展開のノウハウを持った岡田さんとの出会いや決別など、シビアな話もありました。しかし一つ言えるのは「一期一会」の大切さ。多くの方々に出会い、色々な事を学び、本気で悩んで、努力した人だけがその時代で生き抜いていけるのだと思います。ただ会がここまで続いた一番の理由は、「自分達の野菜を一人でも多くの方に食べて欲しい」という気持ち。そして「どうしたら会員の方に喜んでもらえるか」を常に考えてきたからだと感じました。

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それから40年。時代はずいぶん変わりました。私達も「変わらないために、変わらなければならない事」もあると思います。しかし今まで多くの人から学んだ事、そして感謝の気持ちを持って次の一歩を踏み出していかなければならないと思います。

私も入会して14年が経ちますが、今まで会員の減少問題はあったものの、会の存続に関わるような大きな試練は一つだけでした。それは原発事故による放射能汚染問題!その当時は三芳も放射能に関してあまりにも無知で本当にどうしたらいいかわからない状態でした。そして食べる会の方と一緒に放射能について学び、行動し、そして今があります。放射能に関しては様々なエピソードがありますが、その中で三芳の特徴を表していて、しかも今だから話せるかな~というものを一つご紹介させていただきます。

原発事故が発生した時、最初三芳のメンバーは「対岸の火事」のような気持ちでしたが、その放射能の汚染範囲が次第に明らかになり、ついには千葉県も影響を受けている事がわかりました。私達の畑は全て露地ですのでもろに放射能がかかってしまいます。その後食べる会から検査の話が来ました。最初の検査品目は「米(玄米)」に決まり私達生産者も会議を持ちました。そして忘れもしませんが、会議で誰の米を検査するか決めるという時でした。私も三芳の放射能委員でしたから内心ドキドキでした。「グループの農地全体の中央のあたりに位置する田んぼがいいのではないか」いう意見が出されましたが、その後の話が進みません。確かに会の代表としての検査ではありますが個人の米を測定するわけです。もしも放射能が検出されれば、その数値によっては「出来ればその人の米は食べたくない」という意見がでるかもしれません。またその検査の影響で会全体に風評被害が及ぶ恐れもありました。そしてお米は同時に種でもあるため、普通の野菜と違って濃度が凝縮されるのではないかというような心配もありました。しかもその当時、一般の検査であれば精度は10~100ベクレル/kg程度なのに対し、大学の研究室で、なんと1ベクレル/kgレベルまで測定できるとの事。多分メンバー全員が「絶対検出されるな」と思っていたはずです。その後も「名前を隠したらどうか…」「いや絶対ばれる…」「なら数人の米を混ぜればいい…」などの意見は出ますが、肝心の田んぼの場所が決まりません。そしてまたしばらくの沈黙。「今夜は決着つかないな…」という言葉が私の頭をよぎった瞬間、どこからか「じゃあ俺の田んぼの米を計るかい」という声。それが50番の渡辺さんでした。ですから放射能に関して、渡辺さんは会の救世主です。そしてその結果は見事不検出でした。その度胸と会に対する想いには本当に脱帽しました。そしてまた自分自身の意思の弱さが露呈した瞬間でした(トホホ)。もちろん今も毎月15日前後に生産グループ全員で会議を行い、諸問題について議論をしています。その内容は…残念ながら一般の会員の方には教えられませんね…なんちゃって(笑)。

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映画「みつばちの大地」「牛の鈴音」を見て  人類の命運をも左右する動物たち

先日、ピーマンの収穫をしていて手を伸ばした時、またまた指先に「チクッ」という感触が…(冷汗)。今度はみつばちであった。ピーマンの花でお食事中のところを私が邪魔してしまったようだ。みつばちは人を刺すと針が元から取れて死んでしまうらしいが、私の指に針が残っていなかったので、多分刺さり方が浅かったのだろう。みつばちも元気に飛んでいったのでホッとした。しかし刺された事で、以前に見たある映画を思い出した。

それは「みつばちの大地」。その映画は日本有機農業研究会の関係で知った。その映画で一番印象に残ったのは「地球上からみつばちがいなくなると、4年後に人類が滅亡する」という言葉。しかしそれにはちゃんとした裏付けがある。実のなる作物のほとんどの受粉がみつばちのお世話になっているからである。農薬の影響でみつばちが激減している事は、皆さんもご存知だと思いますが、その映画の中ではみつばちと一緒に暮らす様々な人達が紹介されている。人とみつばちとの関わり方は様々。昔からのようにみつばちで花の蜜を採取している人。野菜や果物の花の受粉のため、たくさんのみつばちをトラックで移動しながら農家に貸し出している人。そして女王蜂と数匹のセットを作って海外に輸出している人。紹介されている人々は、形に違いはあるもののそれぞれみつばちに対し愛情を持ち、みつばちたちの健康と無事を祈っている。しかしみつばちたちは、確実に人間の「仲間」から「道具」へという関係へ変わりつつあるように思える。それは職人さんが道具を手入れするような感覚のように感じた。職人さんからしたら「道具にだって命はある」と言うかもしれないが「生命」とは違う。映画を見ると、世界中でみつばちが激減している理由がわかる。大規模なアーモンド農園でのみつばちの活躍の様子が描かれていたが、すぐ隣では農薬散布が行われている。養蜂農家は「どうか農薬散布中の畑にはいかないで…」と願う。しかし長い間狭い箱の中で長旅をさせられてきたみつばちたち。大海原へ放たれて、人間達の思うようになるはずもなく、上空から飛行機でまかれた農薬を浴びて花から落ちていく。決して演技ではない…(悲)。やっと巣に戻った弱ったみつばちもやがて病気や寄生虫にやられて死亡し、巣箱単位で病気が蔓延し処分される。花の無い冬には抗生物質がたっぷり入った砂糖水が振る舞われる。養蜂農家はそうするしかないのである。結局、みつばちを殺しているのは農家が使う農薬。季節にもよるだろうが、多分農薬をこんなに多用していなければもっと元気にみつばちは飛び回っていただろうし、みつばちはもちろんの事、世界中が動物達の楽園だったに違いない。

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また女王蜂が死なない限りみつばち内の近親相姦が続く。それは人間社会と同様にあまり好ましくないらしく、そのために新しい女王蜂と働き蜂のセットを輸出する人達がいる。それもみつばちたちの事を考えた上でのビジネスだそうだ。しかし様々な原因で蜂の病気が世界中に広がり、病気が発生していない大陸は1つだけだとの事。しかしその国でも農薬が使われているため、みつばちたちの逃げ場はもう無い。あとは天に祈るしかない。

我が家の周りにも小規模ではあるが養蜂農家はある。海に囲まれていて比較的暖かいので意外と向いているのかもしれませんね。我が家に来てくれるみつばちたちはきっとそこから来るのでしょうか。最近は寒くなり、みつばちもあまり見かけなくなってきました。我が家の安全な花粉や花の蜜でこの冬も元気に乗り超えて欲しいと思います。ちなみにこの映画は、DVDになり現在はレンタルもされています。

そしてもう一本ご紹介したいのが…「牛の鈴音」という映画。配給会社は「みつばちの大地」と同じ。韓国で作られたドキュメンタリー映画である。題名の通り主人公は「牛」そして「老夫婦の農家」。その一風変わった農家を十数年間かけて撮影し製作したと思われる。牛を家族以上にかわいがり、農業の機械化を嫌うおじいさん。牛を使って田畑を耕しながら共に生きてきた。牛に対して時には厳しく、また時には優しく…。しかし常に自分の体より牛の体を労わってきた。牛も含め皆家族。互いに使い使われ、厳しい言葉も交わされるが、その裏に隠れた愛情が伝わってくる。おばあさんが牛にやきもちをやいて、おじいさんに発するきつい言葉もちょっとかわいらしく感じました。しかし、おじいさんも牛も衰弱し次第に体力の限界は近づいてきます。はたして牛とおじいさんの運命は…。これもDVDレンタルされています。この映画を見た時、原発事故の時に家畜やペットをそのままに避難を余儀なくされた人たちの気持ちが痛いほどわかりました。しかし日本の古き良き時代の情景、また本当の幸せとは何かを感じさせてくれる作品です。

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そしてまた今年も、12月20日(日)に武蔵大学 江古田キャンパスで、「国際有機農業映画祭2015」が開催されます。以前にも書きましたが、映画は面白いところがキュッと詰まっています。初上映の3作品「種をつぐ人々(アメリカ)」「偽善の米(フィリピン)」「都市を耕す(アメリカ)」の他、追悼上映の「農薬渦(日本)」、そして同じく邦画の「草取り草紙」「アラヤシキの住人たち」の全6作品です。今回は色々な内容の作品が揃っています。興味のある方は行ってみてください。また、詳しい内容はホームページをご覧ください。

生産者番号 56番 八代弘樹


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2015年12月16日 (水)

今週の野菜

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12月10日

白菜、ネギ、カブ、大根、シイタケ、チンゲン菜、菜の花、セロリ、人参、里芋、キーウイ、みかん、卵

特注できる野菜・・・大根、人参、セロリ、ゆず、味噌、梅酢、米、鶏肉、砂肝、鶏ガラ

chick2年間卵を産んでくれた鶏のお肉が今、特注できます(特注はこの時期だけです)!生産グループの安全な野菜やみかん、くず米、フスマ・・・などを食べて育った鶏です。
特注お待ちしています。


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2015年12月 8日 (火)

今週の野菜

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12月3日

セロリ、小松菜、チンゲン菜、春菊、大根、人参、里芋、ショウガ、みかん、卵

野菜代金 ¥1862 荷造り料 ¥400

chick特注出来る野菜・・・人参、セロリ、干しシイタケ、里芋、味噌、梅酢、米粉、米、梅干し、鶏肉、鶏がら、砂肝

happy01特注お待ちしています。

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2015年12月 7日 (月)

湘南Tサイトに出店しました

12月5日(土)湘南Tサイトに三芳村生産グループが出店しました。

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生産番号12番の古宮さんが、自らの畑の農作物も収穫して運んできます。

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城南ブロックの会員さんを中心に、事務局、企画委員も応援に。

佐藤さんのお茶も並びました。

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「こんなに虫食いがあって嬉しい!本当に無農薬ですね!」と喜んでくれたお客様も。

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お花屋さん、素材にこだわったシフォンケーキ屋さん、国産の蜂蜜屋さんなど、色んなこだわりのお店が出店しています。

次回は、来月の2週目か3週目に出店の予定です。またお待ちしていますhappy01

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                                           企画委員会


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