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2015年12月19日 (土)

イベントに参加して ~ 露木先生の教えと放射能こぼれ話 ~

先日、10月17日、18日に行われた提携セミナー主催の三芳訪問ツアーに参加しました。今回のツアーには食べる会の斉藤代表、そして歴代の代表である戸谷さん、和田さん、喜多尾さんなどそうそうたるメンバーが参加、そして初日の夕方に会発足時に大変お世話になった露木裕喜夫先生からの教えや今までの苦難の道のり等に関する話し合いが持たれた。恥ずかしながら私は今まで露木先生の著書「自然に聴く」を読んだ事が無く、急遽その本を父から借りて読み始めた。すると、書物には「作物を作る上で自然の秩序に従う」という事はもちろんだが、その他に「本当に安全・安心な物を手に入れるには努力が必要」「人間は自然の中で生かされている」という事などが書かれていた。また「足るを知る」という言葉もその会合で初めて聞きました。それは人と自分を比べたりせず、満足する心を持つという事。要するに心の持ち方次第で幸福にも不幸にもなるという事ですね。以前テレビで「国別幸福度ランキング」をやっていて、先進国でなく意外な国が上位を占めていた事を思い出しました。大量生産、大量消費社会となった現代。人はいくら多くの物にかこまれても満足する事はなく、心を持った人達にかこまれて初めて満足する事ができるとの事。口で言うのは簡単ですが、人との出会い、信頼、絆を大切にしなければならないと感じました。そして現在では自然食品店等でも「有機栽培」と表示された野菜は簡単に手に入りますが、本当に信用するかは買い手の気持ち次第です。ただ一つ言えるのは、人の意志は決して強くないという事。もしも「農薬や化学肥料は持っているが、この畑だけは有機栽培です」という農家がいたら、その人はすごい人だと思います。私なら農薬を持っていれば絶対使ってしまいますよ。(と、自信持って言い切るところではないが…笑)。

また、話し合いでは流通や事業展開のノウハウを持った岡田さんとの出会いや決別など、シビアな話もありました。しかし一つ言えるのは「一期一会」の大切さ。多くの方々に出会い、色々な事を学び、本気で悩んで、努力した人だけがその時代で生き抜いていけるのだと思います。ただ会がここまで続いた一番の理由は、「自分達の野菜を一人でも多くの方に食べて欲しい」という気持ち。そして「どうしたら会員の方に喜んでもらえるか」を常に考えてきたからだと感じました。

Photo_3

それから40年。時代はずいぶん変わりました。私達も「変わらないために、変わらなければならない事」もあると思います。しかし今まで多くの人から学んだ事、そして感謝の気持ちを持って次の一歩を踏み出していかなければならないと思います。

私も入会して14年が経ちますが、今まで会員の減少問題はあったものの、会の存続に関わるような大きな試練は一つだけでした。それは原発事故による放射能汚染問題!その当時は三芳も放射能に関してあまりにも無知で本当にどうしたらいいかわからない状態でした。そして食べる会の方と一緒に放射能について学び、行動し、そして今があります。放射能に関しては様々なエピソードがありますが、その中で三芳の特徴を表していて、しかも今だから話せるかな~というものを一つご紹介させていただきます。

原発事故が発生した時、最初三芳のメンバーは「対岸の火事」のような気持ちでしたが、その放射能の汚染範囲が次第に明らかになり、ついには千葉県も影響を受けている事がわかりました。私達の畑は全て露地ですのでもろに放射能がかかってしまいます。その後食べる会から検査の話が来ました。最初の検査品目は「米(玄米)」に決まり私達生産者も会議を持ちました。そして忘れもしませんが、会議で誰の米を検査するか決めるという時でした。私も三芳の放射能委員でしたから内心ドキドキでした。「グループの農地全体の中央のあたりに位置する田んぼがいいのではないか」いう意見が出されましたが、その後の話が進みません。確かに会の代表としての検査ではありますが個人の米を測定するわけです。もしも放射能が検出されれば、その数値によっては「出来ればその人の米は食べたくない」という意見がでるかもしれません。またその検査の影響で会全体に風評被害が及ぶ恐れもありました。そしてお米は同時に種でもあるため、普通の野菜と違って濃度が凝縮されるのではないかというような心配もありました。しかもその当時、一般の検査であれば精度は10~100ベクレル/kg程度なのに対し、大学の研究室で、なんと1ベクレル/kgレベルまで測定できるとの事。多分メンバー全員が「絶対検出されるな」と思っていたはずです。その後も「名前を隠したらどうか…」「いや絶対ばれる…」「なら数人の米を混ぜればいい…」などの意見は出ますが、肝心の田んぼの場所が決まりません。そしてまたしばらくの沈黙。「今夜は決着つかないな…」という言葉が私の頭をよぎった瞬間、どこからか「じゃあ俺の田んぼの米を計るかい」という声。それが50番の渡辺さんでした。ですから放射能に関して、渡辺さんは会の救世主です。そしてその結果は見事不検出でした。その度胸と会に対する想いには本当に脱帽しました。そしてまた自分自身の意思の弱さが露呈した瞬間でした(トホホ)。もちろん今も毎月15日前後に生産グループ全員で会議を行い、諸問題について議論をしています。その内容は…残念ながら一般の会員の方には教えられませんね…なんちゃって(笑)。

生産者番号 56番 八代弘樹


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