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2016年1月21日 (木)

この異常気象で分かれる明暗  ~ シイタケのやる気スイッチ ~

師走の半ばだというのに、今日の気温は20度。本州のスキー場も雪不足でお手上げ状態です。この陽気はいったいなんなんでしょうね。いつもであれば霜で傷んでしまうセロリー等も元気です。また年末に間に合うか微妙だった我が家の葉物野菜も、もしかしたら間に合うかもしれません。しかしナ花もシイタケも気が狂ったように成長し、ブロッコリーなどはまだつぼみが小さいのに咲いてしまい、仕方なく出荷せざるを得ない状況です。しかし食べる会の皆さんは毎回ちょうど良いくらいの量の野菜が届いていると思います。

私は出荷事務をしている関係もあり、生産者が一生懸命に手をかけて育てた野菜がなるべく各曜日に均等に届くように心がけています。ですから我が家が早めに出荷してその品目が終わりかけたタイミングで、次の生産者の出荷が始まったりすると「ヨッシャー」と心の中でガッツポーズします。

以前にもお話した通り、三芳の生産者は皆が同じ条件で野菜を育てていますが、各生産者が独自のノウハウを活かし微妙に時期をずらす工夫をしています。しかし今年のこの陽気…。いくら頑張っても品目によっては一気にそのピークはやってきます。この前は「ナ花」が山のように出荷された日があり、その中でも一人で飛びぬけて多く出荷した方を賞賛するつもりで「すごいじゃないですか~」と声をかけ、山に積まれた箱の写真を撮ってから職場である事務所の中へ…。するとどうでしょう。パソコン操作中のその日の配分担当者が暗い顔をしていました。話を聞くと、ナ花が出荷数オーバーし配分しきれないとの事。今年初めてのナ花の大豊作に喜んでいた矢先、目の前が真っ暗になりました。しかし、今年初めての豊作という事で、食べる会の方もこの程度は受けてくれるだろうという量を配分してくれました。その後、私は他の役員たちに相談しその日の配分を決定。そしてオーバーした分はその生産者に持ち帰ってもらう事になりました。結局、朝に私が賞賛の声掛けをした人は25箱の持ち帰りとなりました。今度は私がその人にお悔やみの言葉を伝えなければなりません(冷汗)。しかし恐る恐る近づき小さな声で「25箱分、すいませんが持ち帰りを…」と言うと、「しかたないね」と納得してくれました。そしてその大半は鶏たちのエサとなったようです。これだけたくさんのナ花を収穫するのにその生産者は1人で何時間かかったんだろう。おまけにナ花は中腰で摘むため、さぞや腰も痛かっただろうに…と思いました。ちなみにその日の我が家のナ花の出荷数はというとたった2ケース。その人がどんなに苦労したかを考えると身につまされるようでした。

しかし今度はシイタケのビッグウェーブが到来…。8人くらいの人が作っていますが、ほとんどの人が出し切れない状況となりました。しかしシイタケの場合は干しシイタケにする事ができます。蒸し暑いと、干してもカビが生えてしまうのですが、明日頃から本来の寒さになるという予報ですので、無事に干しシイタケになってくれる事を祈りたいと思います。

Photo_5

ご存知の通り、私達のシイタケは本当の木に菌を打ち込み、1年半寝かせて菌が浸み込んだら、家の近くで最終的な形に組み上げます。収穫自体は楽ですが、そこまでの仕込みがとっても大変なのです。ですから、我が家も唯一連休をとれるお正月に、次に菌を打ち込む木を切りに山にいったりした時もありました。お正月の1週間の休みで、食べる会の皆様には色々とご不便もおかけしますが、農家がボ~っと過ごせるのはお正月の3日間くらいかもしれませんね。

また、今年我が家では色々と忙しく、シイタケが出る新しい木をなかなか山から運んでくる事ができませんでした。そのため、この秋の最初のシイタケのビッグウェーブには間に合いませんでした(トホホ)。それは木(菌)を目覚めさせる事ができなかったためです。「シイタケのやる気スイッチ」とでもいいましょうか。山で寝かせたままではスイッチが入らないのです。振動させたり、日にあてたり、電気を流したり…。するとスイッチが入ります。昔から農家では「近くに雷が落ちたり、地震がおきたらシイタケが出るから見にいけ!」という言い伝えがありますが、ちゃんと裏付けがあるようです。私達はやっていませんが、実際にシイタケの専業農家では木を水に浸ける際に電気を流して出荷のタイミングをコントロールしているという話もあります。ですから我が家はまだ眠りから覚めない木が多かったため、今回の出荷調整にも引っかからずに難を逃れました。これから少しずつ木が目覚めてくれれば安定供給できていいのですが…(苦笑)。今回はスイッチの入ったシイタケとたまたま花の様な形になったシイタケの写真を載せます。

Photo_6

また、切干大根、切干人参作りもこの陽気でカビてしまったという話を耳にしています。現在はかなり狭い地区の天気がわかりますので、私達はその情報を常に頭に入れていますが、それでも裏切られる事もあり、本当に泣き笑いの毎日です。しかし、そういう苦労や楽しみを共に話せる仲間がいて、またそれを理解してくれる「食べる会」の方々がいる。私達は本当に幸せだと思います。

生産者番号 56番 八代弘樹


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