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2016年4月 2日 (土)

野菜の勝ち組とは   ~ 老兵(冬キャベツ)は消え去るのみ…!? ~

年明けにJA(農協)で大豆の選別機を借りて、大豆の大きさと形の良し悪し別に3段階に分けてきました。そして今年の6月くらいに新たに大豆の種をまくのですが、それには大豆が多すぎて余ってしまいそうなので出荷する事にしました。JAの選別機は単純な機械なので色の選別機能はありません。ですから3段階に分けたうちのAランクの大豆の中から手作業で色の悪いものを除く必要があります。そうすると、約3割の豆がはじかれてしまいます。はじかれるのは紫のアザのような箇所があるものがほとんどなのですが、多分原因は私の大豆の収穫が遅れた影響でサヤが開き、豆が日焼けしてしまったのではないかと思います。もちろん食べるのには何も支障は無いのですが、何といっても青白い体にあるアザは目立ちます。かわいそうですが、単なる見栄えの差で落選。また、そういうB級の豆だけを集めておくと何とも寂しそうに見えます。きっと豆側からしたら「私達はこれからどうなるのかしら。煮られて鶏のエサ…(悲)」と心配している事でしょう。しかし私は今年、その青いアザのある豆を種として畑にまいてみようと思っています。私は常日頃、色々な野菜を見ていますが、なぜかそういうB級品の野菜の方が何か強いエネルギーを感じます。大根も人参も変形したものは人間たちの勝手な都合にとらわれず、何か強い意志を持っているように感じます。ですから、今回のB級大豆にも「お前たちはB級じゃない。お前達は種になるんだから、お前達こそ勝ち組みなんだよ。」とつぶやきながら作業しました。

B

私はよく「B級品」という言葉を使います。私達の作業ミスなどで食べる会の会員の方にご迷惑をかけてしまったり、お世話になったりした時などに、お詫びやお礼の意味を込めて、「B級品野菜ですけどよかったらどうぞ…」というお手紙を付けて我が家のB級品野菜を送る時があります。それはもちろんB級品ではありますが、その時にあまり出荷されていない野菜がほとんど。そういう時はB級品野菜でも大変役にたちます。受け取った側もめずらしいからか「B級には見えませんよ。出荷したらいいのに…」というお返事をいただく場合があります。そういう時、やはり自然に「たくさん送られてきた野菜には厳しく、めずらしい野菜には甘くなるのかな」と感じます。しかし、めずらしいという事は逆に考えると旬の時期を若干外れかけているとも言えます。今は大根も冬だけでなく、春先から初夏にも出荷され冬大根のように青首(上半分の表面が青い)品種が開発されましたが、以前配送先などで三芳的には納得した出来の野菜でも「この野菜は旬じゃないんじゃないの」と言われた事があります。しかし最近は、どちらかと言えば「美味しければ旬だと感じる」というような感覚になってきた感じがします。気候の変動の影響や、品種改良などでかつてはできなかった時期に露地でおいしい品種を作れるようになったというものもあります。春キャベツなどもそうで、今までは8月に冬キャベツの種をまき、3か月後くらいに春キャベツの種をまいていました。そして春キャベツの苗はビニールハウス内で越冬しその後畑へ植えていました。しかし、最近は寒さに強い春キャベツの品種が出来た関係で三芳の生産者も皆が早めに種をまくようになり冬キャベツとあまり変わらない時期にまでなったと思います。そして昨年の異常な暖冬…。温度が高いと成長が著しく早い春キャベツは冬キャベツの出荷時期と完全に重なり、今年などは畑で次々と破裂してしまっています。「ロールキャベツにするなら冬キャベツだね」とか「少々固くても、ジュースにするなど、調理法を工夫すれば…」というありがたい声もありますが、食べる会の方のご意見をまとめてみても、春キャベツの方が断然人気があるようです。これから三芳側でもキャベツの議論になると思いますが、多分食べる会の方に少しでも喜んでもらえるよう、やわらかく風味の良い春キャベツが優先権を得る事になり、昔からの冬キャベツを作る人は確実に減るはず。しかし、一つ忘れてはいけないのは、いくら品種改良されても冬キャベツほど寒さに強くなっている保証は無いという事。したがって、昨年末と反対に大寒波が来た時は三芳からキャベツがほとんど来ないという事態になるかもしれません。「ミニトマトより大きいトマトが欲しい」という会員の方からの言葉に大玉トマトの比率を増やしてきた結果、昨年は長雨で大玉トマトが全滅。三芳は大打撃を受けました。ですから他の仲間からは「冬キャベツの作付け禁止」など、極論も飛び出すかもしれませんが、私としては「春キャベツ優先」というくらいにとどめたいと考えています。

平成6年にPL(製造物責任)法が制定され、そのあたりから様々な物について消費者を守る、そして消費者主導の社会になってきたような気がします。今回のキャベツの件は大玉トマトほどギャンブル性が高くないとはいえ、三芳側も食べる会の方の貴重なご意見も伺いつつ、自分達の農業の本質を失わずに取り組んでいかなければならないと思います。しっかりと説明をすれば食べる会の会員の方も、そうした考えをきっと理解してくれるはず。時には食味などで皆さんが満足されない品が届く事もあるかもしれませんが、届けられるものはすべて「安全」です。その点についてはどうかご理解いただきたいと思います。これからも「安全」「安定供給」そして「おいしさ」を目指し努力してまいります。今後も貴重なご意見をお願いします。

生産者番号 56番 八代弘樹

 


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コメント

 冬キャベツもとってもおいしいので、残して下さると有難いです。お腹の弱い息子はキャベツも医者に強く勧められているお野菜の一つです。三芳から届いた箱を開けてキャベツが入っていると、嬉しくなります。

 破裂した春キャベツは可哀想でしたね。気にしない人は気にしないと思うのですが、駄目なのかな…どこのお野菜よりも安全なのに。鶏さんはおいしいお野菜を沢山食べることが出来て喜んでいるかな。欠品当たり前、届いたらラッキーとかの勿体ないお野菜福袋とかあってもいいかな。

 一消費者の勝手な意見です。

投稿: 萩原 祐美子 | 2016年4月 5日 (火) 04時29分

農家しているとB級野菜もかなり出ますが、鶏たちが喜んで食べる姿を目にすると「まあ、しかたないかな」と感じます。
説明文などを付けて出荷できればいいのですが、各生産者が自分の都合で色々とB級品をもちこまれても収集がつかなくなってしまうので、やっぱりちゃんとしたものを送るのがいいかなと思います。20軒の農家があつまると、端境期でもなんとかしのげるものですね。やはりグループの強みでしょうか。
ただ、生産者番号がわかる形で野菜が届き、特注などで同じ生産者のものが食べたいとか言われる時もあります。また、その品目が少なくなってきた時にB級品でもいいからくださいという特注依頼もありますので、そのような時には出来るだけ要望に合わせるようにしています。
グループでできるのはその程度ですね。

投稿: 八代弘樹(56番) | 2016年4月12日 (火) 12時22分

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