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2016年5月 7日 (土)

豊作の年と不作の年の違い   ~ 極秘プロジェクトの成果 ~

ここ数年、みかんや野菜について「今年は豊作の年、不作の年…」という言葉をよく耳にする。確かにみかん等は1年毎にそれを繰り返している。結局、その原因は豊作の年に多くの実をならせる事で木が疲れてしまい、その翌年にその反動が出るという事である。しかし、一般の農業のように木が疲れた年に化学肥料を多用すれば、木もある程度は元気になるが、私達のように鶏糞主体の自家製肥料だけでは限界があり、しかも鶏糞は野菜のために多く使用しなければならないため、果樹に充分まわるほどは余裕がなく我が家ではヌカのみである。現状では草刈り機で果樹の木の下の草を刈り腐らせた分の養分、そしてヌカだけの家がほとんどであろう。ですから三芳のようにみかんの木が古くなるとよけいに年による差も大きくなる理由もわかる。また木が古くなると幹や枝にコケが生えてくる。私も最近顔にシミができたのだが「この歳ではしかたないか…」という気持ちもあってちゃんとケアしていないのと同様に、みかんの木のコケもそのままになっている。一般の農家はどうしているのだろう…。多分、薬をかけているのでしょうね。私達の場合、コケを落とすには丈夫なブラシが必要で、それを手に木に登ってゴシゴシこすらなければいけません。また気をつけないとブラシで木を傷める危険性もあります。もちろん自分自身もコケの粉だらけになるし、風が強い日などに行えばその粉が舞い、元気な若い木にも移る危険性もあります。コケだってやっと木に根付いたのである。簡単に落とされてたまるか…という気持ちであろう。しかし我が家のようにコケ落としをサボっていても、みかんの木はそこそこの実を毎年つけてくれる。みかんの木には本当に感謝しなくてはならないと思う。

また以前に、植物は動物と違って移動ができないので、その場所で生きるしかないという話をした事があるが、我が家のみかんの木も数十年もの間、同じ場所で一生懸命に生きている。数日前にみかんの木を見に行ったところ、甘夏(川野)と夏みかんの実が2割くらい地面に落ちてしまっていた。それは多分、みかんの実が思いのほかたくさんなりすぎたため、みかんの木が自分で落としたのであろう。前にも同じ事があった。昨年末に肥料分にするために木の周りにヌカをまいたが、そのヌカもバクテリア等の微生物が分解してくれなければ根から吸い上げる事ができない。木もずいぶん悩んだ末の(実を切り離す)行動だったに違いない。みかんの木も自分を守るため頑張っている。

そしてまた昨年秋の人参も長雨がちょうどその成長期にぶつかったためであろう。普通人参といえば真下に向かって尖った根を伸ばすのだが、どういう訳か根が斜めにたくさん伸びてしまい不格好な人参ばかりになってしまった。これが成長期を過ぎた頃の長雨であれば先端部分から腐ってくるのだが、それが成長期であったため人参自身が生き抜くために、自ら考えて最善の策をとったのだと思う。

今は冬野菜が終わり春野菜に切替わる、いわゆる「端境期」と呼ばれる期間である。実は3月31日から我が家では葉玉ねぎを出荷するのだが、今年は豊作と言われている玉ねぎも、昨年は大不作であった。みかんなどの果樹に関してはある程度説明はつくのだが、私も農業を始めて15年。まだ野菜の豊作と不作のはっきりとした理由をつかみきれていない。しかし皆が言う「苗の良し悪しで決まるよ」と…。以前に苗が虫の被害に合い壊滅状態になった時はあったが、昨年の苗については、葉玉ねぎ用の早生品種の苗はやられたものの、通常の苗は特に例年に比べて見劣りするような事は無かった。しかし、そういう不作の年の苗は定植してしばらくするとその差が顕著に現れてくる。肥料をあげてもなぜか成長が遅い苗が多い。そしてそれを目にすると世話をする気が失せてくる。そうなると野菜のお世話も他の野菜が優先され、玉ねぎにとっては更なる逆風となり散々な結果につながる。では今年の玉ねぎの成長具合はどうなのか。豊作の年といっても全ての苗が順調なのではない。写真を見ると明らかに右の玉ねぎが大きい事がわかると思うが、このように同じような苗を植えてもこんなに結果が変わってくる。結局、豊作の年は右のような玉ねぎが多数を占め、不作の年は逆に左のような苗が多くなる。やはり、芽が出た段階で苗の何かの組織、またはDNAレベルで何かが違っているのかもしれない。

Photo_3

ただ、今年は葉玉ねぎの出荷開始の時期については1番になる事ができそうです。しかもこの端境期の救世主になる事は間違いなし。昔はネギをたくさん出荷して「ネギの56番」と呼ばれた事もあったらしいですが、「葉玉ねぎの56番」と呼ばれる日も近いかも…。また先日、母に「今年は葉玉ねぎの成長が早いね」と言ったら「そういう品種を作ったんだからあたりまえでしょ…」とサラッと言われました。昨年の早生品種の散々な結果に、もうあきらめたのかと思っていましたが、水面下で極秘に新プロジェクトが進行していたようです(冷汗)。皆さんこのような事を何というかわかりますか?それは「敵を欺くにはまず見方から」です。でも、こういう欺きなら大歓迎ですね(笑)。

生産者番号 56番 八代弘樹


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コメント

 葉玉葱、美味しいですよね。火を通すと甘くなって、その自然な甘みがもう堪らない。ブイヨンやスープでは玉葱が欠かせないと仰っていらした料理家の方がいらしたのですが、玉葱が味出しとして重宝されるのが分かる気がします。しかも葉玉葱は緑の葉と白い身が両方彩りの綺麗な具として目も楽しませてくれるのですから、便利。毎年、楽しみにしているお野菜の一つです。
 この時期の玉葱も勿論とっても美味しく頂いていますよ。

投稿: 萩原 祐美子 | 2016年5月10日 (火) 14時03分

大根、玉ねぎ、胡瓜など…野菜には多くの水分が含まれています。「野菜を食べる事はその生産地の水を飲む事と同じ」というような事を聞いた事があります。農薬はもちろん水溶性。ですから水分が多い野菜ほど農薬の怖さも増すのではないでしょうか。
私たちの野菜はその価値をわかっている方の元へお嫁に行く事ができて本当に幸せだと思います。農家は手元にB級品野菜がある事もあり、葉玉ねぎの茎など、皆さんの方が大切に野菜を使っていただいていると思います。調理法などについてはこちらが勉強させていただいています。配送に行った時などはそういう話になり、会員の方が作った加工品をいただいたりする事もあります。

投稿: 八代弘樹(56番) | 2016年5月17日 (火) 10時56分

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