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2017年1月21日 (土)

農家の意地と感謝の気持ち!  ~ 苦境に立たされ、より一層強まる絆 ~

新穀感謝祭後の配送でポストの方から「久しぶりに感謝祭の畑見学に参加して涙が出ました。」と言われた。生産者の畑の無残な野菜の姿を目にしたとの事。「百聞は一見に如かず」である。毎年行っている感謝祭であるが、より多くの会員の皆さんに気軽に畑を見学していただきたいと、昨年より更に感謝祭のイベントの開始時間を少し遅らせて畑見学の時間を長く設けるようにしたのが良かったようである。

そして、皆さんご存知の通り今年の秋は天候不順で大変でした。もちろん畑の管理も大変でしたが、一番大変だったのは「生産グループとしてこの苦境をどう乗り切るか」でした。結果的に食べる会の役員の皆さんへその旨をお伝えしたうえ、配送や宅配を交互に休む事で1回の荷物に対して最低限の量を確保し、私たち三芳側もダメージを最小限に抑える事ができました。今回に関しては、各野菜の状況を会員の皆さんにお伝えするだけで精一杯で、各品目の出荷規格をもう少し甘くするかなどと検討している余裕もなく、またほとんどが苗の段階で被害にあっているため、そういう救済措置をとったとしても、それによってどこまでの野菜が救えて、どれだけの野菜が増えるかなどという事も未知数でした。ですから今回は食べる会の皆さんの素早いご判断により危機を救っていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

しかし、今回のこの一件で生産者側も学ばなければならない事があると思う。それは「農家としての意地(プライド)の再認識」。私は「天候不順」に続く、この野菜の不作の原因は各農家の「昨年と同じようにやっていれば、そこそこの収穫はできるだろう」という考えにあると思う。超大型台風直撃等という事であればやむを得ないが、「異常気象」は今年から起きたわけではない。少なくても4~5年前からはニュースでも取り上げられている。確かに「リスクをおかして失敗したらどうする」という考え方も一理ある。しかし「昨年よりも確実に収穫量を維持する方法」はまだ残っていると思う。

昔、会員数が千人以上だった時は「出荷量を増やすには、条件のあまり良くない畑をどう活かして野菜を作るか」がポイントであった。しかしそれは、生産者も若く、昼でも夜でも動ける余裕があった時の事。家から距離があり、なかなか目のゆきとどかない畑を管理するのがどんなに大変かは今までにメルマガでお話ししてきた通り。生産者は22軒。そして2人で働いている家庭がほとんどだと考えると、毎年生産グループ全体で44歳(22歳×2人分)の歳をとる事になる。若い二代目といってもほとんどの生産者は50歳を超えている。よってこれからは「良い条件の畑をいかにして活かしきるか」がポイントになると思う。そして毎年同じ事をするのではなく、少しでも工夫をして失敗を防がなければならない。ですから食べる会の方も、また来年の秋に今年と同じような状況になったら、生産者に厳しい言葉のひとつも浴びせて欲しいと思います。そして生産者も、食べる会に泣きつけばなんとかしてくれるという考えを捨てて、もう一度「農業のプロ」というプライドを持って野菜の世話に没頭しなければならないと思います。

私は今回のように苦しい時、会に入って間もない時に両親に言われた事を思い出します。それは「この会(生産グループ)に入る前、収穫したばかりのレタスを荷台にいっぱい積んで一日中都会の団地を売って回った事がある。しかしほとんど売れず、丹精込めて作った野菜は無駄になった。それが、食べる会に入ると(調整はあるが)荷造りした野菜は全て買ってくださる。それがどんなに幸せな事か。その事を絶対忘れないようにしなさい。」という言葉である。また生産者がもっと若かった時、地元での宣伝にもつながると、野菜や卵の余剰分を地元の直売所にも卸して(食べる会了承)いた事がある。もちろん価格は食べる会と同じだが、お客さんが買いやすいように小袋に詰め直したりしていた。しかし認証をとっていないため「有機」と明記できない事や、周囲に安く体裁の良い野菜が並ぶため、売れ残って返却される事も少なくはなかった。私も同様に出した事があるが、ラッピングやシール張りなどして店内にきれいに並べても、それでも売れ残りはあった。そういう作業をしていると、食べる会に出荷できるという事がどんなに幸せであるかが身に染みる。

しかし、その直売所と会の付き合いが無くなって5年近くが経ち、生産者も食べる会へ出荷する荷姿があたりまえという意識になりつつあるような気がする。

現在「提携セミナー」も行われており「生産者の事、そして生産現場の事をもっと知ろう!」という試みが続いている。ですから生産者も今一度、褌(ふんどし)を締め直し、食べる会への感謝の気持ちを心に持ち、会員の方が三芳以外の野菜を買う事なくずっと健康でいられるよう頑張らなくてはならないと思う。

お互いに相手に対する敬いと助け合いの気持ちがあれば、TPPだろうが、異常気象だろうが乗り切っていけると私は信じています。

生産者番号 56番 八代弘樹


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